第10話 6月9日放送

「永遠の別れ」

 ある日突然、朝早くに僕ん家の電話が鳴りました。高校時代の野球部の仲間からでした。
「何だよ、こんな朝早くにぃ」
「あのな・・・、昨日、コウイチが死んだんだ・・・」
「バーカ、朝からくだらねぇ冗談言うな!」
「本当なんだ、交通事故で・・・俺も信じたくないんだけど・・・」
早すぎる友の死の知らせでした。 別れの日、思い出がいっぱいある彼の顔は見ませんでした。 友の死の現実を認めたくなかったからです。 高校時代、マウンド上で力いっぱい真っ直ぐを投げたエースの姿が、 「山田!元気出していこうぜ!」とゲキを飛ばしてくれた声が、 今でも僕の記憶の中で生きています。
 その数年後、僕の大切な爺ちゃんも、婆ちゃんも亡くなってしまいました。 みんなに囲まれて、何不自由無く生きて来て、それが当り前だったのが、 そうじゃないんだと気付いたら、不安と情けなさに包まれました。
 人は死ぬ。早かれ遅かれ僕もいつかは死を迎える。 だったら、自分の納得した日々を過ごして生きて行きたい。 「何やってるんだ俺は。」自問自答の毎日が続くようになりました。
 そんな僕でしたが、結婚して息子と娘が誕生しました。 爺ちゃんと婆ちゃんの生まれかわりだと信じています。 いつもニコニコしてて、たくさんの仲間達に囲まれていた爺ちゃんの姿が、 父親になった僕のお手本となりました。

続きは、また来週です。