第20話 8月11日放送

「願いは叶う」

 今から6年前の事です。家族と談笑していたある晩、 ラジオ「ハロー!ジャンボサタデー」のディレクターさんから電話がありました。 番組のコーナーの本を出版する事になったので、 挿絵の漫画を僕にと声をかけてくれたのです。 宝くじに当たったような衝撃を受けました。
 普通なら、描き手が出版社に何度もお願いをして、運がよければ採用される世界なのに、 30歳デビューしたばかりの似顔絵しか描いた事のない、陽の目も当たらない僕に、 思ってもみないチャンスが訪れました。
 家族も大喜びしてくれて、この日を境に子供中心から僕中心の生活へと変えてくれました。 番組をそのまま本にするような感じなので、 パーソナリティのお二人が主人公になる訳です。
 まずは土曜日、スタジオに行ってイメージ作りをしました。 そして、台本からもイメージ作りと資料集めをしました。 憧れていた漫画家の仕事を、今僕はやっている。 僕が漫画を・・・胸が熱くなったのと、願いって叶うんだなぁって実感しました。
 いざ、漫画を描こうと紙に向かいましたが、これがまた思っていた以上に難しい・・・。 アングル、しぐさ、目線、ふき出しの大きさ等、演出家の才能もないと漫画は描けないと 痛感したのです。
 例えば、電話で相手と話しているシーンは、 ただ受話器を耳に当てて絵を描けばいいってもんじゃなくて、 顔を斜め上に向けて、目は反対方向の上を向いていないと、 話をしているという動きのある絵にならないのです。 子供をモデルにしたり、鏡に向い自分で演技をしながら漫画を描きました。
 漫画家って大変な仕事だと、やってみて分かりました。 ただ、演技をするのは面白いと、新しい発見もできました。

続きは、また来週です。