第21話 8月18日放送

「インスタント似顔絵」

 行政からのお誘いで、東京は新宿のパークタワービルで開催される、 豊栄市のシンボル「福島潟」のアピール展会場へと連れて行ってもらった時のことです。 都会には全く縁の無い僕ですから、見るもの全てが「違次元」で、 行き交う人の群れと、歩くスピードの速さに目がまわりそうでした。  高層ビルに囲まれた空間に、自然と人が共存している越後の国は豊栄の「福島潟」は、 行き交う都会人の足を止め、穏やかなオアシスのような感じになりました。 ここにもまた、似顔絵の神様は、突然僕に予期せぬ出来事を与えてくれました。 会場の関係者の方と挨拶をさせてもらったら、僕が似顔絵を描いていると知るやいなや、 急にイタズラっぽい笑みを浮かべ
「せっかくだから、あなた、ここで似顔絵を描きませんか?」
「は?・・・いえ・・・えぇ!?・・・」
「ま、いいからいいから。こちらでテーブルと椅子を用意するから、描いてよ」
 「あの~、全然知らない人の顔を、それもこの場でなんか、やった事ないですよ・・・」
豊栄のスタッフからも「なんだよ、せっかくだからやれよ!」とヒジで突付かれ、 背中に、いつもと違う汗が流れました。 動揺している間にも、セティングが出来上がり
「みなさ~ん、こちらの方が、只今から似顔絵を描きま~す。どうぞ、いらっして下さい」と一声叫ぶと、即、外国人が目の前に現れました。
「こ~なりゃ、やってやろうじゃないか!」「日本代表の似顔絵師だ!」と開き直り、 堀の深い南米人の似顔絵を描きました。
「なんだ、結構描けるもんだな」と心の中で安心して、10分くらいで完成し、ご本人に渡しました。
 「サンキュー、サンキュー、グレイト。あははははは」大爆笑と握手をされました。
「似顔絵に人種は関係無い。言葉なんかいらないや!」と分かりました。 が、気がついたら行列が出来ていました。 初めての席描きは20人を越すものとなりました。

続きは、また来週です。