第22話 8月25日放送

「越後人の気質」

 東京で席描似顔絵を体験して、また一つ技を覚えた僕は、地元豊栄市のイベントで さっそく席描きをさせてもらいました。 ところがです、なかなか人は来てくれません。 考えてみれば豊栄の人は、初めて見る席描き似顔絵ですから、 とまどいもあるんだろうと思いました。
 しかたがないので、知り合いを捕まえてサクラをお願いしました。 モデルの顔を確認しながら、目が合うと恥かしがって、笑った時がチャンスです。 その笑顔を捕らえようと、僕も必死です。 色紙に赤えんぴつで下書きして、サインペンで線を入れ、水彩絵の具で着色して・・・ ハッと気がついたら、まわりは人だかりになっていました。 さっきまで僕の前を通り過ぎて行った人たちです。
 「お待ちどう!」サクラになってくれた知り合いの似顔絵を見せたら、 周囲は大爆笑になり、本人も照れ笑い。 「次、俺も描いてくれ」ようやくお客さんが来てくれました。
 東京のように、行列になることはありませんでしたが、10人ほどの似顔絵を描きました。
「ほ~れ、おめさんも似顔絵描いてもらいなせや」「いや~いや、オラ、しょしらてば」
 そんな会話が飛び交うのを耳にして、 豊栄の人は、興味はあるんだけど、恥かしがり屋なんだなと感じました。
 その後、何度か席描き似顔絵をしましたが、いつもこんな感じです。 でも、小さなお子さんを描いて欲しいと、 若い両親や、お爺ちゃんお婆ちゃんが来てくれます。 席描き似顔絵の8割がお子さんという状況になり、ジッとしないお客様に、 悪戦苦闘の僕も、お陰で成長させてもらいました。

続きは来週です