第24話 9月8日放送

「唇を交わした男」

 新聞で、事業を立ち上げたばかりの「お笑い集団NAMARA」の記事を目にしました。
 今では「NAMARA」の名前を目に、耳にする人は多いでしょうが、 当時は、新潟ではタブーだったお笑いを「俺たちはやるんだ!」ってアピールに駆け回っていた頃です。僕は、ネクラで引っ込み思案と言われる新潟の地で、マジでお笑いをやろうとする連中がいるんだなと、関心したと同時に、どうやらNAMARAの代表は、僕と同じ年の男だってんで、無条件に共感も持ちました。
 ちょうど僕も、新潟で似顔絵活動をしようと思っていた時なんで、僕なりの表現になりますが「夢見るバカがもう一人いた」と嬉しくなりました。 「どんな男だろう?ぜひ話しをしてみたい」 さっそくNAMARA事務局に電話を入れてみました。
 電話の向こうには、今晩6時30分からの番組「江口歩の新潟生事情」の江口代表がいました。話は簡単でした、彼も僕の事は新聞や雑誌で知っていました。 同い年で、お笑い好き。新潟で活動をしている。人からチヤホヤされたい。 僕の似顔絵も、元をたどれば人を笑わせる為に描いている訳で、ジャンルはお笑い。 その共通点だけで、延々一時間ほど、男と長電話をしてしまいました。
 その後、事務所にお邪魔して、若い芸人さんたちも紹介してもらい、 夢を抱く若くてキラキラした目に、この連中は半端な気持ちでお笑いをしようとしている訳じゃないと感じました。 後で江口代表も豊栄に遊びに来てくれて、お祭りさわぎが大好きな僕の仲間達と一緒に、 カラオケで盛り上がりまして、貸切のスナックは笑いの渦となりました。
 今でも覚えています、彼と僕とデュエットで「ロンリー・チャップリン」を歌いまして、 間奏中に二人抱き合って、唇を交わしました。 男と唇を交わしたのは、人生一度っきりです。ま、これが友情の証という事で。 いつの間にか、僕はNAMARA芸人に登録されてしまいました。 今でも月一で遊んでいます。彼は尊敬できて自慢の仲間です。

続きは来週です