第26話 9月22日放送

「父の足跡(あしあと)」

 僕は親の期待と世間ていを押し付けられて育ちました。 毎日「勉強しなさい!」と言われ、賢い子と比較されては落ち込み、 「勉強して、良い大学に入って、安定した職業」を求められ、 絵を描くことが好きなのに誉めてもらえない。 こんな点数が子供の「できる」「できない」を判断し、 まだ子供なのに「間に合わない」と追い込まれる不条理な辛い思いは、 我が子に対して同じような育てかたはしたくないというのが信念です。 決して僕は、立派は親にはなれないから、そのままのダメおやじでいよう、 一つでいいからバカになれる事をして、 その姿を子供たちの心に焼き付けようと思いました。 そして親は反面教師になり、子供には「自立」と「調和」を願うことにしました。
 何でもいいから、やりたい事を見つけ、見つけたらバカになって取り組む。 自分で判断して行動し、失敗したら悔しんで、上手くいったらさらに上を目指す。 いろんな人と調和して、いろんな人から教わり、たくさんの出逢いと、別れを経験する。 子供は親だけが育てるのではなく、仲間や地域の方からも教わって成長して行く。 むしろ不条理な事は、残念ながら世の中にはあるという事に気付いて、 自分なりに、どう対処して行くかを成長過程で見過ごさせてはいけないと思うんです。
 子供が生まれてから始めた似顔絵活動は、子供の成長と共に過ごしてきました。 今までの似顔絵活動や、テレビやラジオ、新聞や雑誌に出たりした記録は、 押入れの中に「父のバカ記録」として、ダンボール箱に一つ一つ保存しています。 いつか子供が大人になったら、僕の一歩一歩の記録を目にする時があるでしょう。 その時に、「あぁ、父はやっぱりバカだった」と笑ってもらえたら幸いです。

続きは、また来週。