第32話 11月3日放送

「似顔絵と肖像画パートⅡ」

 同じ特定のモデルを描くものでありながら、 極力相手に近づこうとするのが肖像画で、 似顔絵は、その間逆。相手を自分に引き寄せて手玉に取るのです。 方向性は同じでも、似顔絵と肖像画は、根本的に別ってわけです。
 人の顔は年々変わっています。いえ日々変わっています。 もっと言えば、一日に何度も顔は変わっています。 僕の顔だって、子供の頃の顔と、20代の顔、30代の顔は違います。 昨日の顔と、今日の顔も違います。 なにが違うかって、今日は二日酔いで腫れぼったい顔をしています。
 ひとくくりに「顔」といっても、朝の目覚めた時の顔。 学校や会社にいる時の顔。遊んでいる時の顔。 仲間達と楽しく食事をしている時の顔。一人でいる時の顔。寝ている時の顔。 みんな違う顔です。
 他にも、人間は表情というものがあります。 泣き顔。笑い顔。怒った顔。緊張している顔。 もっとあります。同じ笑い顔でも、嬉しい顔。微笑んだ顔。大笑いした顔。 泣き顔にも二つあって、悲しくて泣いている顔と、嬉しくて泣いた顔。 もう、切りがありません。
 髪型も、その人の象徴ですから変わります。ヒゲもそうです。 女性は、お化粧の仕方で顔は変わります。 表情は心そのものだと僕は思います。 似顔絵は、その心の部分の何処をとらえて顔を描くかが楽しくもあり、 やっかいなものでもあります。

続きは、また来週です。