第34話 11月17日放送

「拝啓北野武様」

 自慢話を一つ。BSNテレビの放送で「たけしの誰でもピカソ」という番組に、 似顔絵を取上げるコーナーがありました。 似顔絵の巨匠、山藤章二さんが全国から投稿された有名人の似顔絵を数十点選び、 月に一度、その中から、さらに北野武さんと他のタレントさんが、 好みを数点ピックアップして、最後に一人「たけし賞」を決めるという内容でした。 夕方の放送だったので、仕事中の僕は見ることはできませんでしたから、 ビデオで録画して、後で見ようと思っていました。
 いったい、どの似顔絵が選ばれるんだろう? 今までに、抽選とかで当たったためしがないし、 賞などというものには、からっきし縁遠い星の下に生まれてきたものだから、 僕の似顔絵がテレビに出るだけでもラッキーかな?ってな程度で、 ビデオの予約を設定していたのです。
 夕方になって、番組がある事すら忘れて仕事をしていたら、 突然ケイタイが鳴り、出てみると、有人が興奮しながら、
「テレビ!、テレビ!」「たけしが!、たけしが!」「選んでる!、選んでる!」
 と、見事に単語を並べて僕に伝えてくれました。 どうやら、僕の描いた「田村亮子」の似顔絵が、 武さんの目に止まり、「たけし賞」の最終選考に選んでくれたらしいのです。 別の仲間も電話をくれて「あのビートたけしが、お前の絵を、これ面白いって笑ってたぞ!」 「見てて、鳥肌立ったよ」とか言うもんだから、 僕はもう、こりゃ~仕事どころじゃない。 今すぐテレビを見たい!と、スッゴイ焦りました。 家に帰りビデオを見たら、選ばれたものの、 やっぱり「たけし賞」には届いていませんでした。 それでも僕の似顔絵を、雲の上の存在である武さんの目に止まっただけでも嬉しくて、 またもや、うぬぼれ数値が一気に上昇して行きました。

続きは、また来週です。