第45話 2月2日放送分

「ピーナッツ」

 絵を描く者が、致命的でもある、手が震えるハンディを持ってしまい、 どうして俺って、とことんついてないんだろう・・・って嘆いていた時に、 某美術館で、スヌーピーの原作者、チャールズ・シュルツさんの、 原画展があることを知り、見に行きました。
 世界中で人気者の、スヌーピーやチャーリー・ブラウンなど、 「ピーナッツ」のキャラクターたちが描かれた作品が、 ギャラリーいっぱいに飾られていました。 僕は、仕事のことも、家庭のことも、スコ~ンと忘れて、 白い紙に、シュルツさんのその手が描いた生の絵に、引き込まれてしまいました。 そこにある絵のすべてが、震えた線で描かれていたのに気がついたんです。 どうして、震えた線で描いてあるのかはわかりませんが、 その線が、とても温かみのある絵になっていて、しかも自然だったんです。
 なんて無駄なチカラのない絵なんだろう。 もしかしたら、長く愛される絵は、人に愛されようと描くんじゃなくて、 絵を愛することで、それが見た人にも伝わるものなんだろうなって感じました。 僕は、手が震えることで、どこか悲観的になっていたり、 それを何とか克服しようと考えすぎてしまっていたんだなぁ。 赤い犬小屋の屋根で、昼寝をしているスヌーピーの絵が、 「いいんじゃない?そのままで」って言ってくれたような気がしました。
 これ以来、僕は、今までの画風のまま、線が震えたって何も怖くない。 よけいなチカラは必要ない。 今のままでいい。 そう、素直に受け入れられるようになりました。

続きは、また来週です。