第47話 2月16日放送分

「個性」

 最近、僕を訪ねて来る若い人達が現れてきました。 「似顔絵でメシ食ってるんですか?」「儲かるんですか?」「私も自立したいんですが」 とか。
 どうやら、僕の似顔絵活動は、若者から見ると「カッコイイ」とか「憧れ」のように写るらしいんです。 若者からそんなふうに見てもらえるなんて、照れくさいんだけど、 そのほとんどの人は、何かしらのデザイナーさんで、 よく聞いてみると、職場がつまらないとか、上司とそりが合わないとかで、 個性を発揮出来ないって言うんです。
 絵を描く仕事につきたくても、叶えられなかった僕から言わせれば、 彼らは、学生から、そのままデザインの会社に就職ができて、現時点でプロなわけで、 絵を描いて給料がもらえる、うらやましい人達なんですよね。 複雑な心境になります。
 もしも僕が、迷い無く、念願通り、学生から漫画家の道に進めたとしたら、 自分の20代の性格を思うと、簡単に挫折したかもしれないって。 30歳から、しゃにむに似顔絵を描いて来たのが、 僕にとっては良かったんだと感じたりなんかしてます。
 若いデザイナーさん達には、こう言います。 『「個性」って、世間に認められて、初めて「個性的」と言われるわけで、 その努力は、容易なものではありません。 世間を無視して「個性」と思ったら大間違い。それは「自己満足」と言います。』って。 世間との調和を勧めずに「個性を活かせ!」と言っている大人も、無責任です。 生意気にも、実践している僕は、これはハッキリ言えます。 地元の人達に認められるって、東京で知名度を上げるよりも難しいって事も。

続きは、また来週です。