第8話 5月26日放送

「親の期待」

 東京に出て漫画家になる!子どもの頃からの夢を現実にする時期が来ました。 18歳の僕は、どうやったら水島新司先生の弟子にさせてもらえるのか、 ひたすら考えていました。 門を叩いてお願いしても、そう簡単にはOKしてもらえるはずはない。 一度や二度断られたって、とにかく頭を下げてお願いしなきゃいけないだろう。 雨が降ろうが、嵐が来ようが、弟子にしてもらえるまであきらめない。 「君には負けたよ、弟子にしてあげるから中に入りなさい」 「先生、ありがとうございます!」 そんな感動ドラマのようなイメージを、毎日毎日、頭に植え付けていました。 ところがです、両親は猛反対。 親の希望は、大学に進学して国家公務員になって欲しい。 そうなりゃ世間にも恥ずかしくないと、昔も今もよくある学歴社会の何とかで、 トマトをメロンにしたがる親の期待ってやつが、僕の家にもありました。 水島先生の門を叩く前に、両親という関所を抜けなきゃいけない。 いつの間にか、親戚一同から反対されて、これも母のたくらみだと、すぐに解かりました。 「どうして、やりたい仕事を進めてくれないんだろう」 結局、大学には行かない、漫画家にもならない。 双方ともあきらめるカタチで、僕は専門学校へ行かせてもらう事になりましたが、 結局、やりたいことではないので中退。 その後は職を転々とし水商売もやりました。見かねた両親が、これではいけないと、 父の営む自動車鈑金塗装の仕事を手伝う事になりました。

続きは、また来週です。